遺体恋愛を克服するために

こんな不器用な私でございますが、若いころには恋愛の一つや二つ覚えがありまして、胸を痛める日々を送った経験があります。まあ、数えれば三本の指に収まってしまいますが、これがまた涙なくしては語れないような悲恋でございまして、あれから二十年以上たった今でさえも忘れられない出来事であります。あれは学校を卒業してスーパーマーケットに就職した二十二歳の年でした。

同期入社の新入社員たちは男女合わせて十人ほどおりまして、その中で私は一人だけ一応大卒ということで、高卒の皆よりも四つほど年をとっておりました。その会社は都内に四店舗ほどお店を構えておりまして、私たち新入社員はそれぞれ各店舗に振り分けられたのでした。私が配属されたのは池袋近くにある本店でございます。そこには私の他に新入社員が一人だけ、女の子がきておりました。彼女はおとなしい子でして、どことなくおっちょこちょいなところも多々ありまして、私はなぜだか気になってしかたありませんでした。私が入社してからはお店では毎日のように飲み会が開かれていたように思います。他のスタッフたちも若いメンバーが揃っておりましたから、もう、毎日が学生気分でございました。これじゃいけないとは思ってるんですが、なにぶん私も若かった。「飲み行こう」と誘われればすぐについて行く。

時には朝方まで飲み明かしたこともございました。今考えると凄いことをしてたんだなあ、と感心するばかりでございます。今はとてもできない。仕事から帰ってビールの二缶も開けるとすぐに眠くなる。年には勝てませんね。で、この飲み会に、新入社員の彼女も毎回欠かさずに来てた。お酒もけっこうイケる口らしく、いつも長時間飲んでおりましたね。私は常々気になってた女の子でしたから、自然、仲良くなって行くわけでございます。つい、いらぬちょっかいを出したくなっちゃう。そこんとこはまだまだ私は子供でしたね。ちょっと恥ずかしい。でも、そんな調子でしたから、知り合ってわずか一月も過ぎたころ、私はついに彼女に告白をしたのでした。

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